私のところによく「マウンティングされたらどうすればいい?」という相談がきます。

マウンティングする人は自己肯定感が低く、些細なことでマウントを取って喜ぶちっぽけで残念な人です。だから「ああ、残念な人なのね」と思って笑っていればいいでしょう。

同じように、大和田は自己肯定感が低い、残念な人間だといえます。

自己肯定感とは、自分の可能性を信じ、自分はできるという自信を持ち、肯定的に自己を認識することです。自己肯定感が高い人であれば、ポジティブに物事を考えることができます。

大和田はその逆で、自己肯定感が低い。意外かもしれませんが、ああ見えて、自分に自信がないタイプなのです。

自己肯定感は、他人と比較せず、過去の自分と比較することで高まっていきます。他人と比較するから劣っている部分が見えてしまうのです。他人ではなくて、過去の自分と比較するべきです。前の自分よりできるようになっているとか、給料が上がっているとか。

自分が努力した分だけ上積みされていくので、前向きに生きることができます。

「おまえなんかと誰が手を組むか! 死んでもヤだねー!」

第4話で、半沢から共闘を持ち掛けられた大和田が、感情をむき出しにしてこう吠える。このあと一旦立ち去るも、思いとどまって引き返し、手を組むこととなる。

大和田も半沢も狡猾ですよね。感情に流される人間なら、決別したり振り回されたりした人から「やっぱり手を組もう」なんて言われても、受け入れないでしょう。それを受け入れるということは、2人とも目先の感情では動かない、冷静沈着、頭脳明晰なタイプであることがよくわかります。

このシーンは、大和田の出世欲の強さがわかりやすく表現されている。出世のためなら何でもやれるタイプなのでしょう。

一方で、大和田の言葉には「お・し・ま・いdeath!」だったり「死んでもヤだねー!」だったり、かなり子供っぽい点があります。が、これらもすべてマウンティングです。

マウンティングは、とても子供じみた行為です。マウントを取りたがる人は、些細なことでリードを取って満足感を得るので、器の小さい人。器の大きな人は、マウンティングしませんよ。仮に憎んでいる相手がいたとしても、もっと違う接し方をすると思います。

大和田は、人間の器が小さいくせに、地位や名声に対する貪欲さが人一倍ある。自分のプライドが傷つけられようとも、地位や名声のためなら敵である半沢とだって手を組むような人間です。