2008年北京五輪。野球日本代表の星野仙一監督は「日本を代表する最強の布陣」と評し、「金メダルしかいらない」と宣言していた。ところが結果は4位。このとき「A級戦犯」と呼ばれたのが、大エラーをしたG.G.佐藤だ。帰りの飛行機でG.G.佐藤は妻に「死にたい」とメールをするほどだった。そんな彼に星野仙一がかけた言葉とは――。

※本稿は、澤宮優『世紀の落球「戦犯」と呼ばれた男たちのその後』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

野球のグローブとボール
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打撃絶好調で北京五輪代表に追加招集

西武ライオンズのG.G.佐藤(本名・佐藤隆彦)は、入団5年目の平成20年、シーズンはじめから絶好調だった。

5月には9本塁打を放ち月間MVPを受賞、三冠王の呼び声が高かった。

そんなときさらなる朗報がもたらされた。北京五輪の日本代表候補に追加招集されたのである。日本代表チームの監督は星野仙一、1年前のアジア予選を全勝して五輪出場を決めていた。

代表チームには、稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)も選ばれていた。稲葉のポジションは佐藤と同じライトであり、若手の佐藤がレフトに行くことになった。

星野仙一は彼らを「日本を代表する最強の布陣」と評し、「金メダルしかいらない」と宣言していた。