外食業界全体の落ち込みが、今後どう戻っていくのか

外食業界は、新型コロナウイルスによるダメージを最も被った業界の1つでしょう。ほとんどの企業が売り上げを大幅に減少させています。

好調が続くケンタッキーフライドチキン。2020年5月の既存店の売上高前年比は137.6%、来店客数は106.5%だった。
好調が続くケンタッキーフライドチキン。2020年5月の既存店の売上高前年比は137.6%、来店客数は106.5%だった。(AFLO=写真)

例外的なのは、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどのファストフードです。もともとテイクアウトで3~4割の構成比があり、利用者の意識も定着していたため、「巣ごもり消費」の恩恵を大きく受けました。特にケンタッキーは緊急事態宣言が発令された2020年4月の既存店売上高が、前年同月比で33.1%も増加しています。

ただし外食業界全体の落ち込みが、今後どう戻っていくのかはまだ不透明です。基本的には、コロナの影響が比較的軽微だったところが回復も早いのではないでしょうか。

今後を見通す際のキーワードは3つあります。1つ目は、先にも出た「テイクアウト」。「自宅で食べる」という習慣は、今後も根強く残ることでしょう。となると、やはりテイクアウト戦略が今後の生き残りには欠かせないといえます。

2つ目は「滞在時間」。店内で長い時間飲食をすればするほど、感染リスクは高まります。居酒屋のような長時間滞在することで収益を上げるスタイルの店は厳しく、すぐ食べられてさっと出られるファストフード店はやはり優位です。