感染者の増減だけを見て一喜一憂する

多数の死亡者を出したイタリアでは、新型コロナから回復した143人(19歳から84歳、平均年齢56.5歳、女性53人)のうち、治療後の症状なしが12.6%で、1つか2つの症状があったのが32%で、半分以上の55%には3つ以上の症状があったというから、治癒後の患者の87%に後遺症が残ったことになる。

同リポートでは、熱や急性疾患の兆候・症状はなかったものの、疲労や呼吸困難、関節痛、胸痛といった症状を個々人が報告しているという(以上、米JAMA Network7月9日付)。日本政府の元患者2000人を対象とした調査開始は8月から。本格的な調査はまだこれからなので、日本人のケースと単純に比較してよいか否かは不明だが、政府調査の結果が出るまで念頭に入れておく必要はあるだろう。

では、逆にB派のA派に対するツッコミどころはというと、感染者数の増減だけを見ての一喜一憂がいの一番に上がるだろう。

今カウントされている感染者数には、無症状の人も相当数入っている

B派の目には、検査の数を増やせば感染者数が増えるのは当然と映る。感染者数の増加が際立つ東京都の場合、7月上旬に行ったPCR検査の数は、4月の2~3倍あるし、そもそも日々明らかになる感染者数は、初期は発症したかその疑いのある人しか受け付けずに検査した結果の人数だったが、今カウントされている分には、以前より検査対象が広がっているため、無症状の人も相当数入っていると思われる。感染しても重症化したり死に至るケースが非常に少ないことは、理由不明ながら日本を含む東アジアにおいてはすでに既成事実となっており、心配が杞憂きゆうに終わる確率は高い……B派は少なくともそう見ている。

しかも、東京都が発表するコロナ関連データのカウントの仕方に疑義を唱える報道も出始めている(週刊新潮)。感染者数だけを追っていると、見当違いの状況判断を行ってしまう可能性が高い。

他方で、死亡者数というデータは、こうした不確定要因からは比較的自由と思われる。それゆえ、B派はもっぱら死亡者数の推移をもとになりゆきを観察してきた。しかし世間やネットの一部では、日本もニューヨーク同様に大量の死者が出るに違いないと信じ、「死亡者はもっと多いはず」「隠すな」などと疑るA派の人が存在する。当たり前だが、統計の意味合いが変わるくらい多数の遺体を、誰にも知られることなく処理するなど不可能だ。感染拡大当初の「火葬場が忙しくなった」旨のツイートも、即座に否定されている。