野菜は「1食5種類以上」を目安にして食べよう

ここで言う緑黄色野菜とはニンジンやホウレンソウなどで、淡色野菜は大根、キャベツなど……というのは見た目でわかりますが、ナスやキュウリはさてどっちでしょう?

判別の仕方は切り口の色が濃いか薄いか。ナスとキュウリは切り口が白っぽいので淡色野菜です。また、長ネギのように下の白い部分は淡色野菜、上の緑の部分は緑黄色野菜と混在しているものもあります。

もちろん、両者は栄養も異なります。緑黄色野菜に多く含まれるのはβ-カロテン(ビタミンA)をはじめとするビタミン類と、カリウムや鉄などのミネラル分。一方、淡色野菜はほとんどが水分で「栄養はあまりなさそう」と思われがちですが、実は食物繊維が豊富なんです。食物繊維は腸の働きをよくし便通を助け、生活習慣病の予防にも効果があります。

さらにキャベツなら消化を助ける「キャベジン」という成分を含み、大根もリパーゼなどの消化酵素を備えています。このように栄養はそれぞれ異なるので、いろいろな野菜を食事に取り入れることが大切は1食5種類以上を目安にしてです。

目標みてください。野菜の役割や、なぜいろんな種類を食べる必要があるかをお子さんに少しずつ伝えていけるといいですね。

野菜の切り方で栄養価が変わる

さらに、野菜は切り方や調理法などで栄養価が変わることを、親御さんは覚えておきましょう。野菜のビタミンB群やCは水に溶け出す水溶性なので、細かく切るより、大きく切るほうが栄養は残りやすくなります。加熱するときはゆでるより、蒸すか電子レンジを。ゆでる場合はそのまま汁物にすると、栄養を無駄にすることがありません。なかには細かく切ったほうがいい野菜もあります(図表参照)。

野菜の切り方で栄養価が変わる

またキャベツは千切りにして生で食べるとビタミンCを効率よく取れますが、切ったら早めに食べること。切って1日も置くと、栄養は半減してしまうのです。

もっともどんなに気を配っても、食べ残してしまう子もいるでしょう。野菜を食べさせるには、チンジャオロースーのような肉と野菜を一緒に食べる料理にするのが一つの方法です。

ニンジンは加熱後の甘味が苦手な子が多いので、生で千切りにしたり、すりおろしてドレッシングにしたり。ピーマンはまるごとオーブンで焼くと苦味が抑えられます。豚汁やミネストローネなどに加えると食べられる野菜もあります。どうしても嫌いな野菜があるなら、その野菜はあきらめて他の野菜で補うというのでもいいですよ。

ちなみに、分類上は野菜になりませんが、キノコ類も、コロナ禍の今こそ食べたい食材です。含有するビタミンDは免疫力に働きかける栄養素。日光浴すれば体内でもビタミンDはつくられますが、外遊びをさせにくい状況下ではキノコの出番というわけです。キノコを炒めてとろみをつけ、少量のスープを入れてあんにしましょう。肉、魚、オムレツなどにかけると絶品ですよ。