日本にいながら海外MBAが取得できる未来も

昨年、ハリウッド俳優など金持ちの親をもつ子どもが、賄賂を使って名門大学に不正入学し、大きなニュースとなったのは記憶に新しいが、大学に通えるのはそうしたひと握りの富裕層か、海外からの金持ちの留学生という構図がいつからか出来上がった。となれば、大学教育を受けられなくなった中流、低所得者の市民の不満は募るのも無理からぬことだ。

そして、かつて政治が変えたアメリカの大学教育システムが、今度は政治に変化をもたらし始めた。

今年11月に行われる大統領選に向けて、民主党の有力候補だったバーニー・サンダースは、大学教育の無料化を政策の基軸のひとつとして訴え、ほかの候補者も歩調を合わせた。最終的に同党の大統領候補はジョー・バイデンに決まったが、若者を中心にこの政策を支持する有権者が多いことから、賛同を表明していなかったバイデン氏も考慮せざるを得ないだろうし、となれば、共和党のトランプと争う本選挙でも論点のひとつになると思われる。

アメリカの大学がこうした生き残りをかける過程で、財政上富裕層に頼ってきた現システムを脱却し、より開かれた教育の場へのシフトが求められる。新たな入学者層の開拓に向けてオンライン授業を大幅に導入すれば、国内だけでなく、海外からの受講者の拡大が見込め、経営の新たな支柱にもなり得る。この実現によって、日本に在住しながら語学留学したり、MBAを取得したりできる可能性が広がるかもしれない。

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