池田氏が姿を消した10年間で起きた学会内の亀裂

ただ池田氏が実際に10年間、その生身を公に現さなかったほころびは、創価学会の随所に見え始めている。代表的なのが、その10年のうち8年を占める安倍晋三政権の期間中に極めて強化された自公連立のなかで、共謀罪や安保法制といった、いわゆる池田平和主義と相反する政策が推進されてきたことだ。池田氏が肉声を発することができていれば、その“方針転換”に関し自らで学会員に説明することもあったろう。ただ池田氏の沈黙は一部の学会員たちに、「創価学会現執行部および公明党は、池田先生の教えに反し暴走している」と思わせる方向に作用し始めている。その象徴が、各種選挙で一部の創価学会員が野党を応援し始めているといった光景だ。昨年の参院選では「今の創価学会はおかしい」と訴える学会員が、(落選したものの)れいわ新選組から出馬する事態にまでなった。

ちなみに前述した霊友会や生長の家、世界救世教などの分裂騒動は、いずれも“3代目”前後の、教祖世代のカリスマの記憶が薄れかけた時期と重なって引き起こされた。創価学会もまさかその轍を踏むことになるのか、息をひそめて見守っている宗教界の目は、実は少なくない

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