日本ではわが子をほめられたら「そんなことありません」と謙遜するのが礼儀とされる。だがハワイと上海で塾を経営し、世界中の子どもたちと触れ合ってきた船津徹氏は、「日本の謙遜の文化が子どもの自己肯定感を下げている」と警鐘を鳴らす――。

※本稿は、船津徹著『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

父と息子
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「自分は愛され受け入れられている」という自信

自己肯定感を支えているのは「自分は愛され受け入れられている」という受容感情です。この感情は、乳幼児期に「親から与えられるもの」です。親から大切にされ、親の愛情を実感できると「自分は愛され受け入れられている」と心から信じられるようになります。

ところが年齢が上がり、子どもの生活範囲が家の外へと広がり、家族以外の人との交流が増えていくと、だんだん自己肯定感が下がっていくのです。つまり「自分は愛され受け入れられている」という自信が揺らいでくるのです。

保育園や幼稚園など、新しい環境にスムーズに適応できれば自己肯定感は上がり、うまくいかなければ「受け入れてもらえない」と感じますから自己肯定感は下がります。いかに集団社会にうまく適応できるか、周りの人に受け入れてもらえるかが自己肯定感に影響するのです。

年齢とともに自己肯定感が下がる日本人

日本人は自己肯定感が年齢とともに下がっていく割合が大きいのですが、その理由として考えられるのが、日本の伝統文化と集団重視の価値観です。

日本にはほかの国には見られない独特の伝統文化や価値観があり、それが日本人のアイデンティティを形成している一方で、子どもの自己肯定感を下げる原因となっている可能性があるのです。

日本は四方を海で囲まれた島国であり、列強の支配や大陸からの文化的影響を強く(直接)受けることがなかった国家です。その結果、世界に類を見ない独自の文化が醸成されました。日本に住んでいると身近すぎてわからないのですが、海外から見ると、日本にはミステリアスな雰囲気があります。