新型コロナウイルス感染拡大による生活の変化は、どんな感情をもたらしたのか。博報堂生活総研では、生活者の不満を買い取るウェブサービス「不満買取センター」ユーザー45万人の中から、ある39歳主婦の投稿をもとに、彼女の生活や心の変化を観察。そこから見えてきたのは、夫にいらだちながら身近なお菓子を楽しみにする女性の姿だった――。
家事を手伝わない男性に欲求不満な女性
写真=iStock.com/takasuu
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一人の人の「コロナ禍」における心の動き

コロナ禍は私たちの生活のあらゆる側面に影響を及ぼしています。生活者データの利活用という側面では、位置情報による外出の自粛率把握など生活者の行動ビッグデータを元にしたさまざまな報道がなされるようになったのも、今回生じた大きな変化です。しかしながら、生活者を群として捉えたビッグデータ解析は多いものの、その元になっている一人ひとりの心の動きにフォーカスした解析はほとんど行われていません。

そこで今回は、博報堂生活総合研究所の持つ生活者観察手法(エスノグラフィ)の視点でデジタルデータを分析する新手法、「デジノグラフィ」の一環として、膨大なデータの中から一人の生活者にスポットライトを当てるアプローチを試みました。