早慶のウラその5「秘密結社三田会では会員は何をしているのか」

さて、このページでは少し趣旨を変え、日本をウラで支えているともいわれている慶應の学閥「三田会」について触れたいと思う。

三田会とは約35万人の慶應の卒業生による組織だ。しかし実態としては細分化されたさまざまの三田会がそれぞれ活動している。主に年度三田会、勤務先・職種三田会、地域三田会、諸会の4種類に分けられる。それぞれは、懇親会などを開いて親睦を深める一般的な同窓会の顔を持つ一方で、企業のトップ人事、選挙時の集票、業界再編時などに絡み「日本を陰で動かす秘密結社」などとも噂される。

連合三田会

類似組織として、創価学会があげられる。三田会は福澤諭吉という絶対的な先生の教えのもと集い、三田会内で仕事を回すなど互助会的な役割も果たす。創価学会と異なる点は、三田会は“入信”すればいいわけではなく、原則として大学を卒業しないと入れない。

さて実際に会員は三田会で何をしているのか。20代の男性三田会員は語る。

「僕は地方の地域三田会に所属していますが、月1回の会合では会費集めや領収書の作成などの雑用をしています。上は80代のおじいちゃんが杖をつきながら参加します。正直、会計管理は煩わしいですし、“作法”にうるさい面倒な先輩もいます。たとえば、会で塾歌(校歌)を歌う前に酒を飲んではいけないとか、壇上に上がる際はまず塾旗(校旗)に一礼しろ、とか。でも、いいこともあります。19年結婚した際は先輩が経営する式場で挙げました。先輩から『料金は君が決めな』と言われ、相場より200万円安くしてもらいました」

ちなみにその男性によると、三田会によっては『日吉会』なるものも存在する。「文系学部の上級生が通う三田キャンパスに対して、下級生が通う日吉キャンパスから取ったもので、若手三田会員の親睦会です。ゴルフに行ったり、地元の女の子と合コンしたりします。地方に友達が少ない転勤族なんかには重宝されていますね」。

親睦がメインの地域三田会に対して、職種三田会の中には「不動産三田会」という異色な三田会が存在する。不動産関係のOBの集いで、毎月1回の月例会では物件やテナントに関する情報が激しく交換される。会場には多くの資料が置いてあり、もちろん、その中には「不動産三田会限定」の情報も、多くある。その場でとんでもない金額の商談が成立することもあるという。

「不動産三田会に参加する一番のメリットは会員の信頼度の高さです。不動産業界には怪しい人が多いですし、不動産三田会員であれば、事前に相手を調べなくてもある程度は商談が進められる。会員の多くは大手企業の社員ですが、個人の名前でやっている人も結構います。慶應出身者は他大に比べて裕福な人が多いですからねぇ」

企業でも三田会が幅を利かせる。上場企業社長は慶應出身者が最も多い。トヨタの豊田章男社長も卒業生で、キリンは3代も慶應の社長が続く。企業によっては三田会員であることが出世条件で、某総合商社の40代早大OBは「うちの稲門会(早大OB会)は弱すぎて三田会がうらやましい」と嘆く。