高齢の女性の場合、濡れにくくなる人も多い。痛みを伴うので挿入を望まない傾向にあるが、潤滑剤などを使えば負担は減る。さらに、セックスは挿入だけではない。勃起力が衰えても、女性器が濡れなくても、肌を合わせ、抱き合うことで幸せホルモン「オキシトシン」が出る。年齢に躊躇することなくセックスライフを謳歌することができるのだ。

手を繋いでいそいそとラブホテルに向かう熟年カップルを見ると、微笑ましくてあたたかい気持ちになる。我々後輩陣も自分の未来に希望を持つことができる。性の喜びは生の喜びなのだ。

ラブホテルはセックスするだけの場所ではない

もう1つは、熟年層には自由に使える時間とお金があり、ラブホテル側がその点をビジネスチャンスととらえ始めたからだ。ラブホテル側も、利用客のどちらかが60歳以上であればシニア割を適用したり、年金受給日に来店プレゼントを用意したりと、高齢者向けのサービスを充実させる店舗が増えている。変わり種では朝取れたばかりの筍をお土産にくれるホテルもあり、これが好評でリピーターの獲得に繋がっている。

設備に関しては、室内をバリアフリー化するラブホテルも増えている。手すりを設けて転倒を防止したり、机の角を丸くしたりと安全面にも配慮している。老眼鏡やルーペの全室設置はもちろん、宣伝用ポップやメニューの文字表記を大きくする、テレビやエアコンのリモコンもシンプルでわかりやすいものにするなど至れり尽くせり。アメニティーにおいては、加齢臭を防ぐものや地肌にハリを与えてボリュームアップするタイプのシャンプー類を揃えている店舗もある。

全国のラブホテルを取材し、スタッフやオーナーたちと話をするなかで感じるのは、ラブホテルは今やセックスをするためだけの場所ではない、いわば「空間貸し」のビジネスになっているということだ。東京郊外や地方では、カラオケ目当てにラブホテルを訪れる老人会のようなグループや、広くて清潔なお風呂に浸かってゆっくりしたいと来店する熟年カップルの姿もある。

『月刊TENGA』2020年1月号によると「日本に来て一番驚いたこと」として「ラブホテルがたくさんある」という外国人の回答もあり、東京オリンピックに向け、ラブホテルは海外からも注目を浴びている。そんな素晴らしい日本の文化を築き上げてくれたのは、今なおラブホテルを利用し続けている熟年層の人々。2度目の東京オリンピックを体験する世代となる彼らには、今を楽しもうとする姿勢が共通してある。

【関連記事】
熟年カップルの"ラブホ利用"が増えている
「キス2000円」デリヘル扱い介護ヘルパーの奮闘
なぜ人生100年時代、結婚は最低3回すべきか
高齢者採用「絶対ほしい人・不要な人」の分岐点
名誉会長大歓喜「創価大はスポーツが強いワケ」