本来、生命保険には「免責事項」が設けられており、地震などによる大規模災害が生じた場合は、保険金・給付金を削減したり、支払わなかったりするが、今回の震災に関してはこれを適用せず、災害関係保険金・給付金を全額支払うということを、各生命保険会社が発表している。

巨大津波で家屋ごと保険証券が流された人も多いと想定される。(PANA=写真)
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巨大津波で家屋ごと保険証券が流された人も多いと想定される。(PANA=写真)

保険証券を持ち出すことができなかったという被災者も多い。そこで生命保険協会では「被災者契約照会制度(仮称)」を創設し、生命保険協会や保険各社が窓口になり、保険証券を紛失した保険契約者に対しても契約保険の内容を確認できるようにする方針だ。現状、時期は未定だが、早期開設を目指している。

具体的には、被災者が生命保険に加入していた可能性がある場合には、生保各社か生命保険協会に連絡すれば、加入の有無や契約内容の確認ができるというものだ。証券を失い、保険番号がわからないといった場合も、契約者の氏名、生年月日がわかれば照会に応じてくれる。

また、保険契約者が行方不明で死亡確認が取れないという場合でも、死亡と推定される場合には、保険金の支払いに応じるという方針を生保各社が打ち出している。この場合、地震や津波による被災が確実視され、公的機関による死亡を認定する証明書があれば、戸籍の抹消を待たずに死亡保険金が支払われる。

次に損害保険関係だが、自動車保険や傷害保険など、地震保険以外の保険については、地震、津波による被害については補償の対象にはならない。ただし、地震や津波による損害を補償する特約が付いている場合には、保険金が支払われる。

地震保険の扱いについては、損害の状況に応じて、全損の場合は契約金額の100%、半損の場合は同50%、一部損の場合は同5%というふうに支払われる保険金額が決まっている。

地震保険の支払いについては、通常、損害保険会社の調査員が一軒ごとに損壊状況を確認したうえで保険金の支払額が決められるが、今回は地域一帯が壊滅的な打撃を被ったところもあり、そういう地域については、衛星写真や航空写真を用いて全損認定を行い、できるだけ早期に支払いを行うことになっている。つまり「全損」認定地域に住宅がある場合、調査なしで保険金を満額受け取ることができる。

※すべて雑誌掲載当時