冬の季節には、寒さ対策も重要です。肺に冷たい空気が入ると、睡眠の質が低下してしまいます。寝室は室温が16度以上、湿度も50%以上になるよう調節しましょう。寒いからといってパジャマのうえにフリースなどを羽織ったり、防寒用の下着をつけて寝たりすると寝汗を助長し、かえって冷えにつながります。

暖房にエアコンを使う場合、部屋の空気が乾燥しがちなので、できれば加湿器を併用してください。風の出ないオイルヒーターもいいですが、冷たい空気は下に溜まるので、サーキュレーターや扇風機などで寝室の空気を循環させるとより効果的です。寝るときに口呼吸になってしまう人は、喉を痛めないようマスクをつけるのも1つのアイデアです。

寝具には、軽くて保温性の高い羽毛布団がお勧めです。電気毛布は一晩中つけていると乾燥を招いてしまうので、就寝時には消すようにします。湯たんぽを使うとか、寝る前に布団乾燥機をかけることも安眠を助けます。

晩酌は就寝の2時間前まで

男性のビジネスパーソンでは、40代、50代になって急に眠れなくなる人が少なくありません。生理的な問題に加え、部下が多くなったり大きなプロジェクトを担当したりといった、仕事上のプレッシャーやストレスも関係しているようです。

そうした不安からくる不眠を解消するのに有効なのが「香り」です。心臓病で入院中の患者さんにラベンダーの香りを嗅いでもらったところ、不安感が解消し、睡眠の質が上がったという報告もあります。オレンジやベルガモットなど、リラックス効果があるとされる香りの中から自分が好きなものを選び、枕に吹きかけるなどして使うといいでしょう。

アルコールを摂ると寝付きはよくなりますが、睡眠の質は落ちます。寝酒はやめ、晩酌も睡眠の2時間前には切り上げてください。

▼睡眠コンサルタント・友野さんが推奨! 快眠をもたらす7つの方法
①目覚めてすぐ15秒の日光浴
②朝食にタンパク質かバナナを摂る
③日中はよく笑う、よく話す、体を動かす
④20分以内の軽い昼寝をする
⑤就寝1時間~1時間半前に低温で入浴
⑥寝室の照明を落とす、暖色系にする
⑦「ラベンダーの香り」でリラックス
(構成=久保田正志 撮影=大沢尚芳)
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