日本の「優柔不断」が世界を失望させる

世界第3位の経済大国・日本にとって必要なのは、自らの優柔不断な二元外交/二枚舌外交によって、世界の行く末が変わるかもしれないという自覚と責任を持つことなのだろう。1989年6月の天安門事件で世界中が中国にそっぽを向いた際、日本政府は同年11月に江沢民国家主席(当時)を国賓として招き、さらに1992年には天皇陛下(現上皇陛下)を訪中させた。そのことが、2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加入する道を開いてしまったことを、日本人はいろいろな意味で忘れてはならない。

中国経済は日本の膨大な政府開発援助(ODA)などに加え、WTO加入によって飛躍的な成長を遂げた。しかし、中国はWTO加盟国というメリットのみを享受する一方、中国の国内市場については管理統制経済を続けた。自国に都合の良い法律改正や税制改正で次々と海外の資本を呑み込み、自国の外では自由経済を謳歌し、日本を追い抜いて世界第2位の経済大国に躍進した。その中国の成長で、一部の日本企業も潤ったかもしれない。

しかし、経済大国になった中国の、日本への義理を欠いた数々の行動――「尖閣侵犯」「北海道などの土地買収」「新幹線技術競争」「反日教育」「在中邦人逮捕」などは、日本国民にとって脅威でしかない。

日本の一部の政治家の思い出作りや点数稼ぎのために、日本の安全をないがしろにし、世界を不安に陥れ、アジアやアメリカからの信用を失い、失望させる代償は、日本にとっても日本国民にとっても果てしなく高くつくだろう。

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