「正しい答え」より「正しい問い」

私たちは学校で問題を与えられ、正しい回答をするように教育されてきた。「問題は与えられるもの。答えは探すもの」と思っている。だから多くの人は「正しい答え」を探そうとする。これを変えるのだ。

今は、そもそも何をすればよいのかが、わからない時代だ。こんな時代に必要なのは「そもそも何が問題なのか?」という「正しい問い」を立てる力だ。

・お客様は何で困っていて、どんな痛みを抱えているのか?
・そもそもウチの会社には、どんな課題があるのか?

つまり「正しい答え」の前に「正しい問い」なのだ。誰もが困っていて誰も解決できない問題を解決する企画が、人々をワクワクさせる。

「正しい問い」を立てないまま「正しい答え」を探しているから、どこかで見たような企画を立てて、失敗しているのである。

さらに企画の勝負は、ほんのわずかな差で決まる。

最小限の手間で、「半歩の差」をつける

ある登山者2人が山を登っていると熊に出くわした。相手は凶暴なグリズリー熊。獲物の2人を見つけると、徐々に速度を上げてこちらに向かってきた。

一人は即座にリュックを降ろし、登山靴を脱いでランニングシューズに履き替え始めた。それを見てもう一人がこう言った。

「何しているんだ? 熊はキミよりずっと速いよ」

彼は靴を履き替える手を止めずに、こう答えた。

「熊よりも速く走る必要はないよ。キミより速く走れればいいんだからね」

これはMITのジョン・D・C・リトル教授が1984年に論文で紹介した逸話である。このブラックな逸話は、私たちに大切なことを教えてくれる。

勝つか負けるかはほんの半歩の差で決まる。登山靴のままとりあえず駆け出すように、その場で必死に頑張るのも、一つの方法だ。しかしリュックを降ろして、靴を履き替えたように、少しだけ考える時間を持ち、相手に半歩先んずれば、消耗戦を避けて勝つことができる。

常に相手よりも半歩先んずれば、百戦百勝だ。

相手よりも半歩先んじるのが、よい企画である。

手間は惜しんではいけない。

しかしムリに頑張って、百歩の差をつける必要もない。

私たちビジネスパーソンにとって、勝負は1回だけではない。勝負は何十回も何百回も繰り返される。だから全ての勝負で百歩の差をつけようとするのではなく、常に半歩の差をつけることを目指すべきなのだ。

企画を成功させる人は、最小限の手間で、常に半歩差で勝ち続ける人なのである。

【関連記事】
懇親会で「サンタ」に扮した社長がスベったワケ
月5800円借り放題「服のサブスク」が儲かるワケ
鳥貴族とQBハウスで分かれた「値上げの明暗」
「まるで常識はずれ」変なホテルが儲かる理由
予約サイト「一休」が予算達成に執着しないワケ