会話力アップに絶対役立つ、英語での自己紹介

【三宅】緊張は伝わりますからね。それにしてもいまのお話は読者の方もすぐに使えそうです。

【西内】そう思います。ビジネスの現場で初対面の人とフリートークのようなことをする場面の多くは自己紹介が占めるわけです。日本人同士だと場数を踏んでいるので、みなさんご自身のことを面白おかしく伝えられますよね。学生時代はこんなことをして、こんな原体験があったから今ここで働いていて、将来的にはこんなふうになりたいです、といったような話を。でも、英語になった途端に客観的な事実の羅列で終わったりしますよね。

英語で自己紹介をする場面は今後もいくらでもあるはずなので、一度、完璧な台本を作って、ネーティブに直してもらって、それを丸暗記して徹底的に練習してみたら相当役に立つと思います。英会話レッスンを受けている方であれば、レッスンのうちの何回かを、ひたすら自己紹介に充ててもいいと思います。「ネーティブに確実にウケる言い回しを教えて」とか。自己紹介の型を持っておくことはそれくらい価値があることなので。

それに外国人アレルギーがある方であればそれだけでだいぶ解消されるかもしれません。立食パーティーであろうと、10分、20分と自分語りができる自信があれば、会話に飛び込むのも怖くないですよね。

しゃべる、聞くは「一発勝負の仕事」

【三宅】日本人の多くは自分の英語力に自信がないがために外国人との会話を避けて、結局いつまでたっても慣れないという悪循環に陥っていますよね。

【西内】英会話の能力は練習した時間とかなり比例しますからね。そういえば、アメリカのあまり教育がうまくいってなかった貧しい地域で学生の成績を劇的に伸ばしたプログラムがあることを思い出しました。

【三宅】どういうプログラムですか?

【西内】先生に「授業の練習」をさせたのです。これは『成功する練習の法則』(ダグ・レモフほか)という本に書いてあったことで、その著者の主張は、世の中には大きく分けて二種類の仕事があると。ひとつは書類を作ったり、プログラムを書くような「好きなペースでやりだめておくことが可能な仕事」で、もうひとつは楽器を演奏したりお芝居を演じるような「一発勝負の仕事」。前者はお勉強だけでカバーできるが、後者については練習なしで上達するはずがないということを言われていて。だから「授業の練習」を繰り返したのです。

英語も同じですよね。例えば英語の論文を読むのは「やりだめが可能な仕事」です。学校で文法を学んで、わからない単語はその都度辞書で調べていけば速度も精度も上がります。でも後者にあたる、しゃべる、聞くという話になると「一発勝負の仕事」ですよね。あまり気軽な感じで聞き返したり、言い間違えたりできませんし、よく練習して流ちょうに話し、言語以外の振る舞いもコントロールすることがそのまま価値になる。だから練習をするしかないのです。