少しの工夫で医療費を節約する方法がある。3人の識者に、7つのテーマにわけて具体的な手順を聞いた。第4回は「門前薬局」について――。

※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の掲載記事を再編集したものです。

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病院から遠くなるほど薬が高くなるカラクリ

※月1回、1年間の処方を、一般薬局ではなく、門内薬局でしてもらった場合(3割負担)

調剤基本料を明細書で確認しよう

薬そのものの価格はどの薬局で受け取っても変わらない。薬局の医療費に差が出る原因のひとつになっているのは、「調剤基本料」だ。3割負担の場合、24~123円までの幅がある。

写真=iStock.com/alvarez

「院内処方」と「院外薬局」という言葉は耳にしたことがあるだろう。院内処方は、文字通り病院内で処方してもらうこと。そして院外薬局には3種類ある。病院の敷地内にあるが病院が経営していない「門内薬局」、病院のすぐ近くにある「門前薬局」、病院から離れた街中などにある複数の医療機関の処方せんを扱うことの多い「一般薬局」。実際の調剤基本料はといえば、一番安いのが院内処方の24円、次に門内薬局の30円と続き、門前薬局が75円、一番高いのが一般薬局で123円である。

ただ、門前薬局の中でも大手チェーン薬局なら75円より安い可能性が高い。グループ全体で処方せん回数が月4万回を超える場合は60円、40万回を超える場合は45円となる。

また、薬代は投与日数によって変わってくる点にも注意が必要だ。たとえば、胃薬などの内服薬を28日分調剤してもらう場合の調剤料は、7日分ずつ4回に分けると420円かかるが、28日分まとめて調剤してもらうと230円(いずれも3割負担の場合)。まとめて調剤してもらったほうが4割以上安くなる。

「長期間の通院が必要だが症状が落ち着いているというなら、2カ月に1回、場合によっては3カ月に1回ずつ薬を処方してもらう形にすれば、経済的にも、通院の負担も軽減されます。じつは、これは医者のほうからは言い出しにくいこと。患者さんから『経済的に厳しいので、負担を減らしたい』と言ってもらえれば、症状が落ち着いているなら、できるだけの配慮をします」(長尾氏)