――そうか、別れは永遠の別れか。

【Aさん】というか、老人ホームでモテたいって、妻が先に死ねばいいのにと思っているということだよね。

【Cさん】デスクに言っておいて、妻が先にという確率は低いって。それとも熟年離婚して老後にもうひと花咲かそうと考えているとか?(笑)

【Bさん】うちはご夫婦で入居されている方が3分の1くらいいます。ホームという集団生活のなかでの二人暮らしは、世間体ってこともあって、1人で入居するより大変なこともある。

【Aさん】夫婦でも、男と女って介護観が全然違うからね。

――どう違うのですか?

【Bさん】夫は男の職員が妻の介護をするのにいい顔をしないんです。特に妻のシモの世話はさせない。それは女性職員じゃないとダメ。逆に夫のシモの世話を女性職員にさせたくないという妻はまずいません。男性の場合、妻は自分のものだという意識が強いですね。まあ、健気とも言えますが……。

【Aさん】預けられないんだよね。だから男は介護が必要になっても、行政の福祉サービスに頼らずに、自分でなんとかしようと無理しちゃう。

【Bさん】その点、女性はドライです。むしろすすんで夫を預けたい。極端な例だと夫に触れないという人もいます。ずっと家庭を放ったらかしで、育児も教育も妻まかせ。おまけに浮気もし放題。そんな好き勝手していた旦那のシモの世話なんてできないって。