組織のなかでも「わがまま」になれる

典型的な組織人間の自分は強い制約がある組織のなかで、他人に迷惑をかけることなくどのように振る舞えばいいのか? どうすれば、束縛があるなかでも幸せを感じて生きていくことができるのか?

そんなことをずっと自分なりに考えてきて、「わがまま」に生きるということに行き着いたのですが、その手段のひとつが、より多くの読者に向けて本を書くことでもあったのです。

本を書くことで、自分の経験と知識を患者さんだけでなく、より多くの人に届けることができる。それによってたくさんの人を健康にしたり、助けたりすることができるかもしれない。そんな行動をあえて大学病院という組織に所属しながらやり続けることで、組織と「わがまま」の両立を目指しました。

でも、はっきりと断言することができます。組織や社会のなかで、さまざまな制約に囲まれていても、もっと「わがまま」に生きることは誰にでもできます。毎日を楽な気持ちでより充実感を得て生きることは、やり方さえわかれば誰にでも可能です。

そして、つねに強い制約やプレッシャーにさらされて長年働いてきたからこそ、わたしが見出したさまざまな方法が、少しはみなさんの役に立つと信じているのです。

結婚しないことで自由に生きているのかもしれない

いま男女ともに、結婚しない人が増えています。婚姻件数は右肩下がりで推移しており、内閣府の15年の調査によると、「30~34歳」では男性はおよそふたりにひとり(47.1%)、女性はおよそ3人にひとり(34.6%)が未婚で、「35~39歳」では男性はおよそ3人にひとり(35.0%)、女性はおよそ4人にひとり(23.9%)が未婚となっています。

わたしはこのデータを見たときにこんなことを感じました。

「結婚しないことで自由に生きる手段を得ているのかもしれない」

結婚生活は「束縛」だと言っているのではありません。ここでいう自由は、もちろん「わがまま」とも言い換えられるでしょう。みんなやはり本心では、「わがまま」に生きたいと思っていて、別に結婚に限らずとも、ほかにも似たような現象は世の中にたくさんありそうです。