中国ではIT大手が個人の信用格付けサービスを提供

NTTドコモは、既にこれまでの通信企業とは異なるビジネスを志向し始めたといえる。今後は、そうした取り組みをより大規模に、よりスピーディーに展開することが求められる。

すでに中国ではIT大手のアリババドットコムが「ゴマ信用(芝麻信用)」と呼ばれる個人の信用格付けサービスを提供している。格付けスコアが高い人は低利での融資を受けられたり、シンガポール入国時の審査が軽減されたりするなどのメリットがある。

NTTドコモはそうした企業との競争にも対応していかなければならなくなる。そのためには、2019年10月に予定されている消費税率引き上げとあわせてキャッシュレス決済のテクノロジーを実用化するなど、具体的に新しい取り組みを進めることが大切だ。

KDDIが楽天との業務提携を発表した理由

ただ、今後の事業環境を考えると、同社がイノベーションを発揮することは口で言うほど容易なことではない。

NTTドコモの2018年度第2四半期の営業利益(6105億円)のうち、通信事業は86%(5245億円)を占める。政府要請のマグニチュードはかなり大きい。

加えて、2019年10月、第4の通信キャリアとして楽天が新規参入を果たす。同社は大手3社よりも低い料金を提示して利用者の獲得を目指すだろう。楽天が格安スマホ業者に低料金での通信ネットワークへのアクセスを提供することも考えられる。

KDDIが楽天との業務提携を発表した理由は、新規参入者との関係を強化し価格競争の影響を緩和することだ。その上、通信各社は次世代通信規格である“5G”関連の設備投資も行わなければならない。

政府による料金引き下げ要請は、確かに変化を促す一因ではある。寡占が続いてきた通信業界に変化を求めるためには、それくらいの圧力が必要との考えもあるだろう。ただ、そのショックは大きい。