ムダ遣いをしてしまう、行動がのろい、片づけられない……。そんな苦手を克服するにはどうすればいいのか。今回、9つのテーマに応じて、各界のプロにアドバイスをもとめた。第8回は「何事にも興味がわかない」について――。(第8回、全9回)

※本稿は、「プレジデント」(2018年7月16日号)の掲載記事を再編集したものです。

まずは、嫌なことを書き出してみる

何事にも興味がわかない人というのは、感情をブロックしている人です。たとえば、人は仕事を義務感だけでこなしていると次第に無感覚になっていきます。以前、コンサルティングした20代女性の話です。私がいろいろ質問をしても彼女のリアクションは無表情で無感情。詳しく話を聞くと、「今、上司から仕事を振られて大変なんです。私がなぜここに来させられているのかわからないんですが……」と困惑した表情。彼女は目の前の仕事をこなさなくてはと必死で、会話すら成立しません。彼女は、ロボットのように無感覚で仕事をすることで自分を保っていたのです。

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このような人に行動を促しても、まずうまくいきません。

私は、人間が変わるために必要な習慣を3つの段階に分けています。まず、自分が「こうしたい」という気持ちを持ち続ける“感情習慣”、次にそのためにどうしたらよいのかを考え続ける“思考習慣”、最後に自分が「こうすべきだ」という考えに至り、具体的な行動を続ける“行動習慣”です。

行動習慣を身につけるためには、そもそもの「こうしたい」という感情習慣を持っていなければなりません。前述の女性は感情習慣すら持てなくなっていました。感情習慣を取り戻す作業が必要だったのです。

まずは、今週の土日に自分がやってみたいことを10個考えてみてください。私はこれを“なんでもいいからテン”と呼んでいます。たとえば、「築地の海産物市場にいきたい」「今の奥さんとの思い出の場所である目黒川を散歩したい」など、本当になんでも構いません。

自分がやりたいことがすぐに浮かばない人は、まずは自分にとって死ぬほど嫌なことを書き出してみてください。“したくないこと”のほうが、感情をブロックしている人でもまだ書き出せるでしょう。「あのプロジェクトはやりたくない」「雨の日に出かけたくない」なんでもいいです。これが“影の感情”だとすれば、それと対照的に“光の感情”が出てきます。「クリエーティブな仕事がしたい」「晴れた場所で過ごしたい」などが出てくるでしょう。