テストステロン値が低いと早死にする

中学・高校生時代に一気に高まるテストステロンも、成熟した大人になって以降は、一般的には次第に低下して行くと言われています。たしかにデータをとっても、年齢とともに下がる傾向は明らかです。

ただ、よく見てみると年齢を重ねても下がらない人がいるんですね。たとえば、人間関係がアクティブであったり、社会参画が十分だったりする人は、テストステロン値が高いまま維持されると考えられます。

一方、平穏な老後を迎えた人のように、筋肉を使わず、判断力も必要ない立場になってしまうと、テストステロン値は急速に低下します。たとえ年齢が若くても、筋肉を使わない、判断をしないという人は、テストステロン値の低下に注意しなければなりません。

テストステロン値が低下すると、次のような症状が出ます。

【1】意欲・集中力に欠ける。
【2】チャレンジができない。
【3】人間関係がおっくうになる。
【4】眠りが浅くなる。
【5】痛みを感じやすくなる。

さらにひどくなれば、認知機能の低下や早死などのリスクが高まります。

大げさに聞こえるかもしれませんが、テストステロンは人生を左右しかねない重要なホルモンなのです。

薬指と人差し指の長さでテストステロン値の高低がわかる

となると、ここで気になるのが「自分のテストステロン値は高いのだろうか、低いのだろうか」ということでしょう。これは、指の長さで見分けられると言われており、世界で最も権威ある科学誌の一つである『ネイチャー』にも2000年に掲載されました。

第2手指(人差し指)と第4手指(薬指)を比べた場合、男性は第4手指のほうが長いことが多い。ところが女性の場合は、どちらの指も同じくらいの長さの人が多い。これはなぜかというと、お母さんのおなかにいる胎児のときに、男性ホルモンを出す量に応じて指が伸びてくるのですが、第4手指のほうがテストステロンの受容体が多いんです。

また、胎児のときの傾向がその後、ほぼ一生涯続くということもわかっています。ただし、あくまでこれは“傾向”です。繰り返しになりますが、筋肉も使わない、判断もしないという状況が続けばテストステロンは低下していきます。

レオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』でも第2手指より第4手指のほうが明らかに長く描かれています。テストステロン、あるいは男性らしさと指の長さについて、彼が知っていたのかどうか気になるところです。

さて、それはともかく、テストステロン値を高めるには、どんな食生活や食習慣が望ましいのか、見ていきましょう。