といっても保育園に5万円、学資保険に1万5000円などは妥当な線と言えるだろう。おおもとの原因は「子どものため」を口実にした妻の浪費癖だ。

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特に際だっていたのは娯楽費。「創造力を育みたい」「親子の思い出づくりに」と週末のたびにレジャーへ出かけ、これが月平均で4万5000円の出費に。動物園や水族館、遊園地。家族3人でとなると費用がかさんだ。大好きなディズニーランドに行こうものなら、大人2人と子ども1人で2万円超の出費。駐車場代や食事代も含めて3万円は軽く飛んでいく。お土産代を入れれば、さらに出費はかさむ。だが保育園通いで疲れている子どもにしてみれば「近くの公園で遊びたい」が本音らしい。金券ショップでチケットを購入したり、株主優待を利用して高額レジャーを安くあげる手もある。しかし、前田家には抜本的な改善策が必要だったため、高額なレジャー施設ではなく、無料で楽しめる公営施設や、安価でお土産ももらえる工場見学を探すよう努めてもらった。

ブラックボックスと化していた「被服費」にもメスを入れた。インターネット通販サイトを通じて、子ども用品を好き放題買いまくっていたのである。子ども服やおもちゃをワンクリックで注文すると、毎日のように品物が届いた。しかもすべてクレジットカード払い。明細もロクに見なくなったため、毎月いくら使っていたかもわからない状態だという。

正社員として働き、400万円の収入を得ている妻である。自分が頑張って稼いだお金を愛する子のために使いだしたら、とめどもない。当然、子ども用品を買わないことに難色を示したのは妻だった。

だがそれは本当に「子どものため」の出費なのだろうか。

ニーズとウォンツを意識して買う

買い物には「ニーズ(必要なもの)」と「ウォンツ(欲しいもの)」がある。子ども用パンツは子どものニーズだが、可愛いお洋服は妻のウォンツ。実際には、妻自身が「子どもに買い与えたいから」購入している品物の代金が膨らんでいた。これは必要不可欠な買い物とは言えず、削減対象だ。そこで、ニーズは従来通りネット通販で買いながら、ウォンツは現金払いに改めた。こうして「何にいくら」払っているかを意識すれば、使いすぎを抑えられる。また甥っ子のお下がりをもらうことで子ども服代を節約。2歳児なら半年もすると服のサイズが合わなくなる。そのたびに新品を買いそろえていたらキリがないのだ。