シャワーを浴びると死亡リスクが3分の1に

さらに面白いのは、シャワーの効果です。図2は、普段よりシャワーの回数を多くした場合と、そうでない場合とで死亡リスクの違いを示したものです。

普段よりもシャワーの回数を増やした人は、普段どおりの回数浴びた人よりも死亡リスクが68%下がっています。これは、エアコンにひけをとらない効果です。実は、救急現場で重症の熱中症(意識がなくなってしまうなどの場合)が搬送された場合に、われわれ救急医の多くが行うのは、「クーラーで冷やした室内で、霧吹きで体を濡らし、扇風機をかける」という方法です。重症の場合には患者さんは動けないのでこうしていますが、体が元気なうちの予防法としては、シャワーは非常に有効だといえます。

これは、水分が蒸発する際に熱を体から取り除く「放散」を助長するからです。人間が暑いときに汗をかくのは、この「放散」により熱を体から放出するメリットがあるためであり、シャワーはそれを人為的に行えるという効果があります。なお、冷たい水をかけるのは、若い方やアスリートなどではOKですが、高齢の方や心疾患などの持病を抱えていらっしゃる方は、ぬるま湯くらいが良いでしょう。(*6)