6月19日にロシア・ワールドカップ初戦を控えたサッカー日本代表。酒井宏樹選手(オリンピック・マルセイユ/フランス)は、23人の代表選手の中でも今シーズン、ヨーロッパでもっとも活躍した日本人だ。フランスのタフなリーグ、欧州のトーナメントを戦い抜いた強靭なメンタルはどう磨かれたのか。酒井選手は「ストレスや不安に強くなるためには、よく笑うことが重要です」と語る。トップアスリートが実践する最強のストレス解消法とは――。
※本稿は、酒井宏樹『リセットする力』(KADOKAWA)を再編集したものです。
撮影=千葉格

最強のストレス解消法「よく笑い、よく眠る」

勝つことを義務付けられたマルセイユというクラブのプレッシャーにさらされると、ストレスは日々増加していきます。

そこで、「なんとかそのストレスを軽減させる方法はないものだろうか」と模索しているとき、目に入ったのが近所のワイン畑やワイナリーでした。

そもそも僕は、フランスのマルセイユで成功するために、まずはこの土地を好きになりたいと思い、そのためにはこの土地のことを深く知る必要があるという考えにいたりました。そうした気持ちもあって、この土地自慢のワインに以前から興味を持っていたのです。

僕は柏レイソル時代やドイツのハノーファー時代はほとんどアルコールを口にしませんでしたが、フランスに来て少量のワインを飲むようになりました。

ワインを飲みながら友人と談笑して、気持ち良く眠って、次の日にはすっきりした状態で練習に向かう。まさに「よく笑い、よく眠る」を実践し始めました。フランスに来てから本当によく笑うようになったと自覚があるほどです。

そうやって、生活にメリハリをつけたおかげで、実際にストレスが軽減されたこともあり「もしかしたらお酒は悪くないんじゃないか」と思うようになりました。

それがルーティン化して、いまでも続いています。実際に、フランスに来て2年になりますが、体脂肪率はキープしているし、体重も変わっていません。それどころか心身のストレスから解放されて、良いパフォーマンスにつながっているとさえ感じています。

ただ、自分のなかで「ルール」はあります。それは、ワインで1日グラス1~2杯というもの。

もし自分に甘えて普段よりも多めに飲んでしまい、次の日の練習に支障をきたせば、せっかくのストレス解消方法が悪いパフォーマンスの原因になります。そうならないためにも、自分で設けたルールは必ず守るようにしています。だから適量であれば、僕はアルコールが悪いとはまったく思いませんし、マルセイユのワインを楽しみ始めたことで、この土地がもっと好きになったのも事実です。