「日本人は活躍できない」という前評判を覆し、フランスの名門オリンピック・マルセイユで不動の地位を確立、世界の注目を集めるサッカー選手になった酒井宏樹選手。順風満帆なサッカー人生に見えるが、彼はサッカー選手に不向きな「弱気」で「人見知り」という性格の持ち主。そんな彼がどのように「自信のなさ」と「メンタルの弱さ」を克服し、世界で活躍できるようになったのか――。

※本稿は、酒井宏樹『リセットする力』(KADOKAWA)を再編集したものです。

撮影=千葉格

【習慣1】適応力を磨く

海外で活躍するために必要な要素のひとつとして「適応力」が挙げられるかと思います。僕は2016年の夏に、マルセイユへ移籍するため、ドイツからフランスへ渡る決断をしました。

海外で成功を目指すのであれば、その国を知る、その街を知る。まずは、それが適応力を磨く第一歩である。僕はこの教訓を、海外挑戦を通じて学びました。日本でも「郷に入れば郷に従え」という諺(ことわざ)がありますが、自ら望んでフランスという地を選んだわけですから、自分がフランスの文化に合わせるのは当然です。

にもかかわらず、「この国の文化にはなじめない」と自分がうまくいかない理由をその国や文化のせいにするのであれば、海外ではなく日本に帰ってプレーすべきだと思います。

先ほどの教訓に出てきた「その国を知る、その街を知る」ためには、そこに暮らす人々との会話は欠かせませんから、やはり言葉は重要です。

また、会話だけでなく、言語というのは、その国の文化や、そこで生活する人々のルーツを知ることにもつながると僕は考えています。どこから来たかがわかれば、どこに向かっているのかも理解できるように思います。

フランスに来る前はドイツでプレーしていたので、そのときにドイツ語も勉強していましたが、異なる言語を話せるようになると、新しい世界が開かれていくイメージがあって、少し大げさかもしれませんが、生まれ変わるような新鮮さみたいな感覚があったことを覚えています。

まだ僕は流暢(りゅうちょう)にフランス語を話すことはできませんが、毎日勉強しているので、周りが何を話しているのかまでは理解できるようになりました。

【習慣2】変化をプラスに捉える思考習慣

当たり前ですが、日本と海外では文化における違いはたくさんあります。最初はその違いに戸惑い、ストレスを感じることもありました。でもいまの僕は、その違いをストレスとしないで、できるだけポジティブに考えてみる思考の工夫ができるようになりました。

ドイツでは「日曜日は家族で過ごす日」という考えがあるため、日曜日にはほとんどのお店がお休みになります。ドイツに行ったばかりの頃は、せっかくの日曜日に買い物できないことがストレスになっていました。