この研究では、心筋梗塞で一命をとりとめた患者を対象に、以下2つのグループに振り分けました。

1.いつも通り食事を続けてもらうグループ
2.地中海食を中心に取ってもらうグループ

2.の地中海食のグループでは、牛肉・豚肉を少なくし、バターを減らしてオリーブオイルで作ったマーガリンなどを使用しました(日本のマーガリンは様々な原料があるため、一概にマーガリンが良いというわけではありません。ただ、この研究ではオリーブオイルをより身近にするためにそれを用いたようです)。

すると、5年間の追跡調査で大きな差が生まれました。生死に大きく関わったのです(図表1)。図の横軸は患者を1.もしくは2.に振り分けてからの年数、縦軸は心筋梗塞後、生存している患者の割合です。地中海食に変えずにそのままの食生活を送っていたグループに比べ、地中海食に変えたグループでは死亡率が明らかに少ないのが見て取れます。

この研究は、心筋梗塞を起こした後の人を対象としていますが、心筋梗塞を起こした人以外でも効果は示されています。スペインで行われた研究では、地中海食の摂取により、心筋梗塞や脳卒中を起こしていない人でも、その発症リスクを約30%低減させることが示されました(*2)。