「リーマンショック後、人材事業が伸びないので売却するか撤退するかとなって、今の代表が前身の会社から人材事業を買い取って独立しました。けれど本当に仕事がないんだという窮地に立たされました」

(上)2010年 33歳「就活個別指導塾」立ち上げ、採用責任者を兼務。初年度から黒字に!(中)2014年 37歳執行役員(現任)、PR・採用戦略本部長(下)2016年 39歳IT人材事業本部長

オフィスは麹町の立派なビルから渋谷の小さなビルに移転。「転職失敗? と後悔しました(笑)」

逆境の中で小幡さんが立ち上げたのが、学生向けの「就活個別指導塾」。エントリーシートの添削をしたり、グループディスカッションのトレーニングをしたりして、内定までもっていく有料サービスだ。初年度から約250人を集客し、99%が希望企業に内定した実績が口コミで広がり、新事業はすぐに黒字化した。

安定すると必ず次の仕事が……

ところが2年ほどして、トップから「就活塾はやめ、会社のブランディング変更に注力してくれ」との指令。人材一本の会社からゲームやITサービスもつくれる会社に変え、社名も変更するというのだ。順調に成長する就活塾をネットで広げていきたいと思っていた矢先だったが、やるしかない。

「エンジニアが勉強や交流する場として『21cafe』を設けたり、セブ島で英語とプログラミングを半年学んだ後にギークスに入社できる『geechs camp』を始めました」

最初はスキルのない人をエンジニアとして雇用し、フリーランスのベテランエンジニアと組みあわせてプロジェクトに入れ、ゲームやITサービスをつくりこんだ。

「徐々に、エンジニアを希望する求職者が集まるようになってきました」

安定しそうになると、また悪魔のささやきが……。トップから「そろそろ違うことやりたくない?」と言われ、「やりたくないですよ」と答えながらも、2016年からIT人材事業本部長に。今度は昔から続けてきたフリーランスエンジニアを企業に紹介するビジネスの成長を任されたのだ。