資産をタックスヘイブンに置いていた日本の「元首相」

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)がパラダイス文書を公開。多くの著名人がタックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれる税の優遇措置がある国・地域に資産を移し、自国での課税を逃れている実態が明らかになった。

パラダイス文書とは、今回最大の流出元となったタックスヘイブンの法律事務所、アップルビーなどが管理していた顧客情報が記された文書で、すでにカナダのトルドー首相の盟友や英国エリザベス女王、歌手のマドンナ、鳩山由紀夫元首相の名が公開されている。

パラダイス文書の中にはエリザベス女王の名前もあった。(EPA=時事=写真)

2016年発表のパナマ文書と同様に、世界の権力者や大富豪たちは人目に触れず多額の資産をタックスヘイブンに置いていたわけだ。

しかし、各国政府も手をこまねいているわけではない。慶應義塾大学経済学部の土居丈朗教授は指摘する。

「日本を含む多くの国々はタックスヘイブン対策として、税負担の軽い国・地域に資産を移しても、自国の税率を課す制度を設けています」

OECD(経済協力開発機構)のBEPSプロジェクトによって、富裕層の資産隠しに対するグローバルな協調体制も整いつつある。「各国の税務当局はタックスヘイブンとされる国・地域に情報公開を要請でき、それに応じない国・地域は、実名を世界中に知らしめる措置が取られるようになってきています」(土居教授)。