都市と地方の二極構図では説明しきれない

今年の路線価日本一も東京・銀座の鳩居堂前だった。前年比26%アップの1平方メートルあたり4032万円でバブル後に記録したピークを超えたという。インバウンド需要を背景に東京や大阪などの大都市で路線価の上昇が目覚ましい一方、都道府県別の平均を見ると、前年より上昇したのは13都道府県にとどまった。

これら数字だけ見ると、都市と地方の格差が拡大しているとの解説を加えたくなるが、そんな単純な二極構図では今の不動産市場を説明しきれないとするのが、みずほ総合研究所の市川雄介主任エコノミストだ。

「ミニバブルと言われた2007年と今回の局面を比較すると、住宅地の地価変化率の最大値や最小値は、大都市と地方で大きな差はなく、じつは地域間格差は小さいのです」

その理由はなぜか。

「投資する側も人口減少の影響などで慎重な動きを見せており、大都市であってもバブルが起きていないからです。あくまでも個々の不動産の収益性を見極めようとする姿勢が強く、今年の公示地価で千葉県柏市が全国の住宅地で下落率ワーストになったように、東京都市圏であっても駅から遠いなど利便性が劣るエリアの地価は下がっています」

今後の推移は読み難くなるばかり。