高野連は「8号門クラブはまったく関係ない」

ネット裏の「特等席」を、特定のグループが「占拠」しつづけている。こうした事態を収拾するような形で2016年の春からはじまったのが「ドリームシート」だった。ネット裏最前席周辺の107席(撮影カメラの増減や春のセンバツ大会では席数は多少上下する)に、少年野球チームの子どもたちを招待するものだ。当初は近畿圏が対象だったが、今大会は全国から応募を募ったという。

開催中の甲子園大会では、そろいのユニフォームの小中学生たちが、ネット裏の座席にいるのがわかる。(写真=時事通信フォト)

さて、“指定席”に座れなくなったグループは、一体どこで観戦しているのか?

テレビ画面からは見えないが、ネット裏で行儀よく観戦しているユニフォーム姿の子どもたちのすぐ横(グラウンド側からみて右側)に陣取っている。つまりは、少し横へ移動しただけなのだ。

日本高校野球連盟に、ドリームシートの創設の経緯について問い合わせたところ、「少年野球人口が減少している現状を踏まえ、子どもたちが臨場感あふれるバックネット裏で高校野球を観戦し興味を持ってもらう」(日本高校野球連盟・事務局)との説明があった。

「8号門クラブ」の存在は、シート創設の経緯とは「まったく関係ない」(同上)という。

ただ、憧れの甲子園の特等席に大興奮して疲れたのか、一部の野球少年は居眠りをしてしまうことがあるようだ。「首をこっくりこっくりと上下させることがあり、その場合、画面に映らない席に移されることもある」(前出・スポーツジャーナリスト)という。

「1席65万円」という価値のある席であることを、ラガーさんから子どもたちに説明してもらう必要があるのかもしれない。

(写真=時事通信フォト)
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