実際の法律の施行は18年から

2016年12月、パート主婦の給与の「103万円の壁」がなくなると報じられた。夫が所得税の配偶者控除を受けられる妻の給与収入の上限が、150万円に引き上げられる。実際の法律の施行は18年からだが、この改正はパート主婦の働き方にどのような影響をもたらすのか。

実質的な影響はあまりない、というのがその答えになる。大手スーパーなどの大企業で働いている場合に勤務先の社会保険への加入義務が生じる「106万円の壁」、それ以外の場合でも社会保険への加入義務が生じる「130万円の壁」が存在するからだ。

「壁」を超えると、しばらくは税金と社会保険の負担額がパート収入の増額分を上回り、世帯の手取り収入は減少する。損益分岐点を見てみよう。

夫の年収を仮に700万円とした場合、「106万円の壁」ならパート収入125万円、「130万円の壁」の場合は、150万円程度(勤務先で社会保険に加入する場合)、もしくは170万円(勤務先で社会保険に加入できず個人で加入する場合、社会保険料は自治体により異なる)が損益分岐点となる。

多くのパートは「働き損」を嫌がり、「壁」の額以上に年収を増やさないよう工夫する。年末になると仕事を休むパートが続出する現象は、雇用側にとっては頭痛の種だが、パート自身にとっては「やむをえない選択」というわけだ。