保険といえば、生命保険や医療保険に加入している人が多い。しかし、ほかにも注目すべき保険はある。その1つが「所得補償保険」。病気やケガで長期間働けなくなったとき、その期間の生活費を補填する形で保険金が出る。主に損保で取り扱われているが、生保にも「就業不能保険」「就労所得保障保険」などがあり、所得補償保険と仕組みは同じだ。

2016年だけで数本の新商品が登場。就業不能特約がつけられる医療保険もここ数年増加し、近年注目度が上がっていることがよくわかる。

また、似た名前の商品に「収入保障保険」があるが、こちらは加入者の死亡時に保険金が出る死亡保障の保険なので、似て非なるものである。

現時点で医療保険に加入しているため、所得補償保険(就業不能保険)は不要では? と思う人も多いだろう。医療保険は基本的に「入院時の医療費」に対応するための保険であり、原則入院中しか保険金は出ない。

なお、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(平成28年度・速報版)」によると、過去5年間に入院経験がある人の自己負担額は、平均22.1万円だ。この中には「高額療養費制度(医療費の自己負担額が一定を超えた場合、超過分が払い戻される公的な健康保険の制度)」を利用しなかった人も含まれているので、制度を利用した人に絞れば、平均額はもっと少なくなるはずだ。

22.1万円という金額は少なくはない。だが、「これくらいなら医療保険に加入しなくても、貯蓄でどうにかなる」という人も多いだろう。