1カ月の生活費をざっくり公開しますと、家賃28000円+共益費1500円、固定費15000円、食費1万円、その他15000円、合計69500円といった感じです。

▼家賃

生活費の多くを占め、さらに毎月払わなければならないのが家賃です。これを抑えられるとかなりラクになります。

東京に住んでいた時、私のアパートは国分寺市内にあり、5畳のフローリングと3畳のロフト、バス・トイレがついて家賃28000円でした。駅から徒歩20分も離れていましたが、遠ければ遠いほど安くなりますし、歩けば運動にもなります。あまり社交的でない私は、遠いことを理由に遊びの誘いを断れるので好都合でした。

東京都心から離れて多摩地区まで行くと、家賃の相場がぐっと安くなります。特にJR中央線沿線には大学も多いので、若い単身者用の安いアパートがたくさん揃っており、一人住まいで昼間に街をブラブラしていても目立ちません。

▼固定費

水道ガス光熱費、固定電話とインターネット回線が含まれます。

冷暖房はお金がかかるので使いません。夏は窓にすだれをかけて水浴びをし、冬は厚着と筋トレで体を温めていました。早寝早起きの生活も電気代を抑えるのに役立ちます。

インターネットは必需品なので、固定電話付きのものを契約し、携帯電話は解約しました。携帯を持っていないと外界からの連絡がつきにくく、簡単につながることができません。結果、よほど親しい友達でないと連絡をしてこなくなり、どうでもいい誘いにお金を使うこともなく、とても快適に過ごせました。

▼食費

外食はほとんどせず、3食自炊して節約していました。とはいえ、最大の節約は自分自身が健康であることです。

食べるということは人間が生きていくうえで最も基本の営みです。目先の安さにつられて質の悪いものを食べ続けて、将来病気になったときの出費を考えれば、少しくらい体によいものを買ってでも健康をキープするのは合理的だと思います。

また毎日、朝昼晩と食べるものをだいたい決めておけば、買い物に行ったときに、おつとめ品やセールに惑わされず、無駄な出費がなくなります。自分の置かれた環境で、無理のないメニューを求めていくと、だいたい以下のような感じに定着していきました。

朝・自作のスコーン、紅茶
昼・麺類(うどんかそば)と常備菜
夜・無農薬玄米、みそ汁、つけもの

年齢とともに肉食が減ってきて、ほとんど欲しなくなり、最終的に粗食と呼ばれるような献立に。粗食というのは昔から庶民の食事で、食べ方を間違えなければ非常に効率よく栄養がとれるようにできているんですね。

腹持ちがよく、栄養価の高い発芽玄米(無農薬)を基本に、みそ汁と1菜。これくらいの品数であれば、それぞれ国産や無農薬の質のいいものをそろえても、そんなに高くはつきません。1日の食費は300円です。

玄米とのびるの味噌汁(写真:著者提供)

粗食にしてから過剰な欲望がなくなったのもいい変化でした。欲望と消費はセットになっているので、欲が減ると、お金を使うことも減っていきます。

ただ、こうした食生活が万人に合うとは思えません。必要な栄養は、生活スタイルによって各自違います。他人や世間は責任をとってくれません。自分で自分の体調を絶え間なく観察して確かめることが重要です。