――よく平日の睡眠不足を解消するため、週末寝だめをする人がいますが、これは「睡眠負債」の返済に有効ですか?
【小林】週末だからと言って、ずっと寝続けるパターンはダメです。人間には体内時計、睡眠と覚醒のリズムがあります。体内時計は、起きて光を浴びることでスタートします。光の刺激が目に入ると、その刺激が睡眠物質のメラトニンの分泌をストップさせます。
そして、光を浴びた15~16時間後にふたたび眠気が起こります。平日は通学や出勤時間が決まっているので、朝起きる時間が一定なのですが、土日にお昼まで寝ていると、体内時計が数時間後ろにずれてしまい月曜日がつらくなります。
【佐藤】土日にいつもより何時間か長く眠る人は、無意識のうちに普段足りない睡眠負債を返済しようとしています。寝ることで身体や心の疲れは一時的に取れますが、寝だめで体内時計を狂わせてしまうと、かえって身体に負担がかかることになります。
――ではどう寝だめすればいいのでしょうか?
【小林】ハイパフォーマンスなビジネスマンは、1週間を通じて起きる時間がほぼ一定です。つまり土日も平日と同じ時間に起きているのですね。では彼らがどうやって平日の睡眠不足を解消するのか。まず、いつもより遅く起きるのではなく、可能な限り早く寝ています。
早く寝るのが難しければ、いったんいつもと同じ時間に起きて、光をあびて体内時計を動かしてから二度寝したり、昼寝をするのがいいです。こうすれば体内時計は狂いません。
――なるほど。寝だめは朝ゆっくり寝るのではなく、夜早く寝れば睡眠負債の返済につながるのですね。
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