ノート習慣でなぜ差がつくのか?

高い地位と、それに伴う責任を担うのが大企業の社長や役員、オーナー企業の経営者といった人たちだ。彼らエグゼクティブには、部課長など一般のサラリーマンとは異なる「常識」がある。その常識の差は、ノートの選び方、取り方といったビジネス上の基本的な習慣にも表れているのではないか。

そんな仮定のもと、プレジデント編集部では今回、オーナー企業の経営者や大企業役員らを対象にした「ノート習慣」に関する意識調査を行った。そのうえで、エグゼクティブの行動習慣に詳しい二人の専門家に取材し、エグゼクティブ層(=「役員になる男」)とサラリーマン層(=「課長止まりの男」)との習慣の違いを明らかにすることを試みた。

協力を仰いだ専門家は、腕利きヘッドハンターとして多くのエグゼクティブの転職支援に携わってきた森本千賀子氏と、富裕層マーケティングを専門とする増渕達也氏。意識調査を委託したのは、増渕氏が代表取締役を務めるルート・アンド・パートナーズだ。

まずは結論から見ていこう。下の図は、意識調査および森本、増渕両氏の知見から、エグゼクティブ層とサラリーマン層の「ノート習慣」の違いを抽出し、簡単なチェックリストにまとめたものだ。

わかりやすく要約すると、エグゼクティブ層は毎日かなりの頻度でメモを取るが、その際は大学ノートなど定型のノートよりも、手近の資料やコピー用紙の余白や裏側などに書きつけることが多い。反対に、サラリーマン層には、自分でメモを取らずに部下任せにするケースが見られるほか、システム手帳や3色ボールペンといったアイテムにはこだわりを持つ傾向がある。

書き方にも差があり、エグゼクティブ層は「聞いたまま」を書くのではなく、要点を抽出または図解化することに長けている。一方、サラリーマン層には、セミナーの内容を逐一記録するなど、情報の収集や整理に労力を傾ける人が少なくない。

また、今回の意識調査によれば、エグゼクティブ層は長期間にわたりノートを保管し、頻繁に見返していることがわかっている。