高級チョコに慣れたマニアも絶賛する、明治の板チョコ「THE Chocolate」。カカオ栽培から取り組む明治が目指すのは、新しいチョコレート市場の創造だという。【記事最終ページに商品企画書を掲載】

昨年(2016年)秋から、スーパーやコンビニのチョコレート売り場にちょっとした異変が起きているのをご存じだろうか。クラフト紙風の茶色い紙箱に、エスニック調のモチーフが縦に大きく描かれたシンプルなデザインの板チョコが、色違いで数種類並んでいる。

その商品の名は、明治「THE Chocolate」(ザ・チョコレート。以下、ザ・チョコ)。「これこそがチョコレートだ」という意味の定冠詞“THE”を冠したあたり、メーカーの自負があふれんばかりだ。従来、スーパーなどの「菓子売り場」に並ぶ板チョコは100円前後のものが多いが、ザ・チョコの想定小売価格は220~240円と約2倍。しかし2016年9月の登場以来、7カ月で2000万個超を売り上げた。予定していた販売計画の2倍以上のペースで売れているという。

何よりもこのチョコ、女子たちの食いつきぶりがスゴい。近年のショコラブームで鍛えられ、一粒300円、500円が当たり前というフランスやベルギーから空輸された高級チョコレートで目も口も肥えた女子たちが、ごく普通のスーパーやコンビニで手に入る一枚220円の国産チョコに歓喜しているのだ。

TwitterやInstagramなど、SNSの反響も驚異的だった。インフルエンサーたちが次々と好意的に発信。発売から2カ月半で、Twitterでは4400超のツイートが約230万人のフォロワーへ、Instagramでは約9000の投稿が約103万人へリーチした。しかもザ・チョコのパッケージを“リスペクト”して再利用した手帳やスマホケース、アクセサリーなどの画像が「かわいい!」と評価され、たくさんの「いいね」が拡散していく。

世間の食意識の高い女子たちがそこまで入れあげる魅惑の板チョコとは、どのようなものなのか、そしてどのようなプロセスを経て市場へと送り出されたのか。その企画過程をのぞいてみよう。

■明治「THE Chocolate」の気になるポイント
・“チョコレートの明治”が真正面から取り組むBean to Bar(ビーントゥバー)
・スペシャリティチョコ担当者入魂のカカオ70%
・新カテゴリ「ダークミルク」とは?
・口に入れる量と形状で味が変わる。いろいろな味を最大限に楽しめる形状デザイン
・チョコレート専門店なら1000円の商品を、230円で販売するジャパンクオリティ