すぐ決まる人、決まらない人の違い

私は人材紹介のコンサルタントとして、企業から求人の相談をいただき合致する人材を探し出し、直接候補者とお会いして紹介する仕事をしておりますが、そのほかに転職支援事業として毎月40代、50代向けの転職セミナーを開き、さらにキャリアカウンセリングや転職支援プログラムなどで転職のアドバイスを行っています。

海老一宏氏●アクティベイト社長。面談6000名以上、紹介実績200社以上。転職サイト「ミドルの転職」(エン・ジャパン)利用者評価で6年連続トップ。

今、中高年の転職市場は、徐々に増加しています。海外に比べれば流動性はまだ低いにせよ、政府もその拡大を促すべく動き出しています。構造的には中高年の転職もすでに大都市圏を中心に当たり前になっています。

そんな状況下で、我々は首都圏や地方のクライアントに対し人材を紹介してきましたが、事業経験豊富なエージェントにより正確な求人ニーズのヒアリングと候補者面談で、ミスマッチはかなり少ないと思っております。

ホームページでの問い合わせやセミナーなどで中高年の転職はうまくいかないという話をよく聞きます。50代まで会社勤めをすれば、何かしらの役職に就き、部下を持って仕事をします。自分のキャリアを買ってくれる会社がどこかにあるはず――そう思って転職に踏み切ったものの、仕事が決まらず日々悶々としている方が実に多い。

いろいろな中高年の方々を目の当たりにして、実際、決まる人は早期に決まる一方、決まらない人は1年経っても決まりません。転職サイトや人材紹介会社は、企業からの依頼を受けている仕事のため、極端にいえば決まりそうな人だけを相手にしている一方、決まらない人には、その方法や欠点をアドバイスしてくれる人がなかなかいないのが現状です。

だから、なぜ決まらないかがわからぬまま、いつまでも探し続けている。大企業に勤め、高学歴で、管理職でも上にいて、ハローワークではほぼ探せない高年収を望む人ほどそうなる傾向が強く、アルバイトなどをしながら1年、2年と正社員の仕事を探しているケースは、決して珍しくはありません。