リーマンショックが禁欲の引き金か?

ここに驚愕のデータがある。18歳から34歳の未婚者のうち「異性との性交渉の経験がない人」が男性で42.0%、女性で44.2%もいるというのだ。この調査は、国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第15回出生動向基本調査」。5年ごとに実施されており、今回、独身者に対しては調査票1万1442票を配布、有効票数は8754票で有効回収率は76.5%だった。その内容はグラフの通り。

これを見ると、日本人は異性に対する興味を失ってしまったのではないか、それが少子化の原因なのではないか、とすら思えてしまう。

同調査では、結婚に対する意思や交際相手についても調査が行われているが、結婚に対する意思では、未婚者のうち、「一生結婚するつもりはない」と答えた人の割合は男性で12.0%と初めて2ケタ台に、女性で8.0%に上っている。

また、未婚男性のうち、「交際している異性はいない」と回答した人の割合は男性69.8%(2010年61.4%)、女性59.1%(同49.5%)と急速に増加している。未婚男性の10人に7人には彼女がなく、10人に1人は一生結婚するつもりがないというのだ。

やはり、少子化の最大原因は若い世代の低所得にあるのではなく、異性に対する興味を失ったことか、動物的な生存本能の低下にあるのではないか、と疑いたくなってしまう。

ところが、この未経験の未婚者のデータを見ていると、2005年を境にして未経験率が増加に転じ、その後年々未経験率が増加していることが分かる。確かに、未経験率が増加を示した2010年からはリーマンショック後の就職氷河期を迎え、この時期から非正規雇用者が急増し始めるのだ。やはり、これが若い世代の異性に対する興味の喪失か、“禁欲”の引き金になっているのだろうか。

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