民進党代表選の最有力候補・蓮舫は、第二の小池百合子となるのか? 2人の過去の発言から、女性リーダーとしての資質を読み解いてみよう。
写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ

いよいよ9月15日に投開票される民進党代表選。現・代表代行の蓮舫は、立候補後に二重国籍疑惑が取りざたされたが、依然として最有力候補である。このまま当選すれば、民進党(旧・民主党)にとって初めての女性党首となる。立候補の際には「都知事が女性になって、リーダー力を持って初めてムダ遣いにメスを入れられる。政府は何をしているんだという思い」と発言したが、先だって東京都知事に就任した小池百合子のことを強く意識しているようだ。

ともに、現役の女性政治家としてはトップの知名度を誇る二人。そこで、蓮舫の政治家の資質を、小池と比較しながら考えてみたい。蓮舫の著書『一番じゃなきゃダメですか?』(PHP研究所)、小池の著書『女子の本懐 市ヶ谷の55日』(文春新書)を中心に、両者の発言を比較してみよう。

キャスター出身、非英語圏の大学留学という共通点

蓮舫は小池百合子より15歳下だが、両者がたどってきた道のりは、驚くほどよく似ている。二人とも本格的なキャリアをテレビからスタートさせ、ジャーナリストの花形であるニュースキャスターにまで上り詰めた。そして、キャスター時代に政治に対する見識を深め、政界から請われて国会議員に転身している。また、蓮舫は北京大学で中国語を学び、小池はカイロ大学などでアラビア語を学んだという、英語圏ではない外国にバックボーンがある点も共通している。蓮舫が「ニュースに興味を持つようになったターニングポイント」としているのが、「日本国籍に帰化した18歳のとき」と1989年の天安門事件だ。

蓮舫「(日本の)安保闘争であるとか、学園紛争とか、政治改革とか、そういう本はすごく読んでいたんです。初めてそれらが(天安門事件と)ポンとつながって、(中略)そのあたりから初めて新聞を真剣に読むようになりました」

防衛大臣だった55日間を振り返りつつ自分の政治的スタンスについても語った『女子の本懐~市ヶ谷の55日』小池百合子(文春新書)

対して、小池は1973年に起こった第四次中東戦争のことをよく語る。日本でいわゆるオイルショックが起こったとき、小池はカイロに留学中で戦時体制を体験していた。

小池「食料品店に駆け込んだが、戦争慣れしたカイロ市民が、すでに買占めした後だった。(中略)大家のおばさんから、いろんな注意を受けた。『窓を黒く塗れ。灯火管制の常識だ』」

蓮舫も小池も20歳そこそこのときに、自分の価値観が変わるようなショッキングな事件を見聞し、それが政治家として今に至る原点になっているようだ。