外資系以外への転職はどうだろう。

大手人材紹介会社のコンサルタントによれば、1部上場企業への転職の場合、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)クラス出身であることが最低条件。学歴よりも経歴のほうが重要視され、大手の都市銀行や総合商社の出身者は人気が高いという。

「中小やベンチャー企業の経営者が、東大や難関国立大、早慶出身者を重用する傾向はありますね。ただ、年収がアップするかというと……、下がる場合のほうが多いんじゃないでしょうか。大手への転職でも一部の外資系を除けば、100万円アップすればいいほうでしょう」(大手人材紹介会社コンサルタント)

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【図2】 転職による賃金の変動
【図3】 転職による生涯所得減少率

図2を見ていただきたい。厚生労働省の調べでは、転職によって給料がアップした人の割合が高いのは、建設業、製造業、情報通信業、金融・保険業。それ以外の業界では給料がダウンする人の割合が高いのだ。

生涯所得という観点から見ると、さらにシビアな結果が出た(図3)。20代から50代のどの年代をとっても転職によって生涯所得が減っている。これはあくまで平均値であるから、なかには転職によって億単位の年収を稼ぎ出し、アーリーリタイアする例もあるだろう。だが、多くの場合、退職金を含めて考えると、収入面では損をしてしまう。

「転職をするのであれば、退職金への影響が少ない20代のうちがベスト。求人数も圧倒的に多いですね。『35歳が限界』というのがこの業界の定説です」(前出のコンサルタント)