死亡や定期よりも収入保障保険がいい

結婚して子どもが生まれたら、保険の加入を検討するべきでしょう。その際には、次の3つの保障――(1)子ども自身のケガや病気に備える医療保険、(2)子どもがケガをしたりさせたりしたときに備える「子ども総合保険」と呼ばれる損害保険、(3)扶養者である親の万が一に備える保険、を考える必要があります。

まず、(1)医療保険ですが、日本では子どもの公的医療制度が整っているので不要であるという考え方もあります。そこで、ここでは基本がしっかりした医療保険に、保険料の安い子どものうちに加入して保険料を親が負担し、社会人になったら子どもがそれを引き継ぐということを検討してください。

(2)子ども総合保険は、子ども自身がケガをしたり他人にケガを負わせたときに保険金が支払われます。子ども同士で遊んでいてケガをしたりさせたりすることは珍しくないし、自転車に乗っていて通行人にぶつけてしまうことも想定できます。そこで遅くとも小学校入学、早ければ幼稚園入園時に加入を検討するといいでしょう。火災保険に個人賠償責任補償特約を付けているケースも多いと思いますが、子ども自身のケガの補償まで考えるのであれば、子ども総合保険がよいでしょう。この保険には、親が事故によるケガで死亡したときなどに保険金が支払われる育英費用補償も付いています。

(3)親(ここでは会社員の夫を想定)が死亡した場合ですが、死亡退職金や遺族厚生年金などが支給されるものの、それだけでは遺された家族の生活や進学費用をまかなうことができません。そこで子どもが社会人になるまでは、かけ捨ての定期保険でカバーするという方法もあります。しかし、死亡保険金を3000万円に設定しても年収500万円の家計なら6年、1000万円の家計なら3年で使い切ってしまいます。もちろん、それまでに妻が働きに出るとしても十分とはいえません。