泥臭い営業に根を上げる女子社員
新卒女性の就職人気ランキングでは常に上位に入る旅行会社。だが法人営業となると、それほど活躍している女性は少ないと語るのは大手旅行会社の元営業部長だ。
「旅行会社の仕事は華やかそうに見えるが実際はそんなことはない。とくに花形の営業は泥臭い仕事だ。300人の団体旅行を受注するには役員のクラスの判子が必要になる。そのためには労働時間もへったくれもない体力と気力が求められる仕事だ。飲みにつきあうこともあるし、価格交渉でもねばり強さが必要だ。成績優秀なすご腕の女性営業職なんて聞いたこともない。結局、営業に向かず、キャリアを落として手続き業務などの事務作業や店舗のカウンターでパッケージツアーを売ったりしている女性も多くいた」
つまり、営業職では相対的に男性に比べて女性のアウトプット力が低いとの見立てだ。
もちろん同じ営業でも業種によって違うだろう。また同じ営業系でも接客などの販売職で活躍している女性は多い。
だが、BtoBの大口の受注を獲得する営業では製品力よりも時にウエットな人間関係を上手にくぐりぬけることが「成約」につながることも多い。
発注権限を持つ幹部クラスはまだ男性が多く、女性営業職に対する先入観や偏見を持っている人もいるだろうし、能力以前に女性に不利な環境という事情もある。