「女性社員優秀説」人事担当者の判断は?

マツコ・デラックスがMXテレビの「5時に夢中」という番組でおもしろいことを語っていた。

いわく「テレビ業界を含め女子社員のほうが根性があるし、ねばり強い。芯があって打たれ強いから、仕事も辞めない」。一方、「男はツラいことがあるとどんどん辞める」といった主旨だった。

これは、女性の新入社員のほうが男性に比べて優秀だと世の中でよく言われる背景を分析した新聞記事を踏まえてコメントしたものだ。マツコも「女性社員優秀説」を支持する。

だが、本当にそうだろうか。

確かに企業の採用担当者から「男子学生に比べて優秀な女子学生が多い」という話をよく聞く。この場合の「優秀」とは入社試験の指標である筆記試験の成績が良く、面接での受け答えから論理的思考力やコミュニケーション力も高いということだろう。男子学生に比べてよく勉強しており、インプット力も高いという声も聞く。

しかし、企業にとっての本当の優秀さとは「ビジネス上のアウトプットを出せるかどうか」であり、長じて「部下を育成・指導し、チームをひとつにまとめ上げるマネジメント力」である。

この点になると、人事担当者の評価はマツコが言うように必ずしも「優秀」ということにはならないようだ。

とくにプロフィットセンターである営業職について製薬会社の人事担当者はこう語る。

「女性営業のMR(医薬情報担当者)職の採用を増やしているが、売り込み先の医師の中にはやたらと上から目線で文句を言ってくる横柄な人もいる。その度に昼夜関係なく医師のところに駆けつけることもあれば、セクハラまがいの行為を受けることもある。我慢の限界に達し、辞める女性も少なくない。その点、男性は辛抱強く対応し、最後はおだててうまく商談をまとめる。男性も辞める人間がいるが、女性のほうが多い。面談でどうして辞めたいのと聞くと『医者なんか大嫌いです!』とはっきり言う女性もいる」