若者の建設業離れが深刻な建設業界!

建設業の人事・給料の特徴について考えてみましょう。

建設業は外部環境に大きく影響を受ける業界です。その意味では、東日本大震災後の復興事業が継続していることに加え、2020年開催の東京オリンピック需要が重なる現在は、絶好の経営環境にあると言えます。

しかし、建設業者の経営者と話していても、あまり浮かれた雰囲気はありません。現在、この業界共通の悩みは「仕事はあるけど人が足りない」というものです。

その最も大きな原因は建設業に従事する人口の減少にあります。この表は1995年から2015年までの20年間における、建設業就業者数の推移です。分かりやすくするため、全産業の就業者数に10%を掛けた値との比較をグラフで表示しています。

この間、全産業の就業者数はほぼ横ばいであるのに対して、建設業は年々減少の一途をたどっています。しかも、50代以降の建設業従事者数はあまり変わっていない半面、20代、30代の若年齢者層が半減してしまっているのです。そのため高年齢者層の引退に伴い、これから益々不足していくことが予想されています。

すなわち、建設業は若者が行きたがらない、入ってもすぐに辞めてしまう業界の代表格になってしまったのです。以前から言われている、休日の少なさや長時間労働、作業の危険さといった3K(きつい、危険、きたない)のイメージも影響しているでしょう。その上、若い人が減っていること自体が職場へ行っても年配の人ばかりで面白くない、といった悪循環を招いているのです。