『子供のときから紫外線を浴びる量が多いほど、眼の病気になりやすく老化も早い』

金沢医科大学眼科学講座の佐々木洋主任教授の研究グループが、日本と赤道直下のタンザニアの小中高生の眼の病気を比較した調査で、そんな事実が明らかになった。

紫外線により、白目の部分が黄色っぽく変色したり盛り上がったりする病気「瞼烈斑(けんれつはん)」が発生しやすくなる。瞼烈斑は充血やドライアイの原因になる。さらに紫外線のダメージを受け続けると、失明につながる場合もあるそうだ。

「長期間紫外線をたくさん浴びれば、老眼や白内障の発症年齢も早まります。屋外で活動した後に、子供の目が充血していたら紫外線のダメージを受けた証拠です」

佐々木先生はそう指摘する。

紫外線強度が高いタンザニアでは、35歳くらいから老眼になる人が多いそうだ。

「スマートフォンやパソコンのブルーライトが問題になっていますが、紫外線はそれ以上にダメージが大きい。20歳未満、特に乳幼児期から小学生までは、眼の奥の網膜まで紫外線が到達しやすいので、子供のうちから眼の紫外線対策が大切です」

そう強調する佐々木先生が、子供が屋外で遊んだりスポーツをしたりするときに紫外線から眼を守るために勧めるのが、つばが7㎝以上の帽子、UVカットのサングラスの着用だ。帽子はキャップタイプより全体につばのあるものがよい。サングラスは横から入る紫外線も遮るスポーツグラスがおすすめだ。

ところで、サングラスは色が濃いほうがよいと思っていないだろうか。「色の濃いサングラスをかけると視界が暗くなるので瞳孔が大きく開き、側面からの紫外線に水晶体が直接ダメージを受けやすくなります。色の濃さはUVカット率とは関係がないので、特にお子さんのサングラスは無色か色の薄いものを選んでください」。

サッカーやラグビーなどサングラスを着けにくいスポーツをするときには眼科医に相談し、UVカットのコンタクトレンズを使う方法もある。

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季節別 眼部UV被ばく量(佐々木洋主任教授提供)

春から夏は地表へ到達する紫外線量が増える時期。「春分の日の頃には、眼が浴びる紫外線量は、夏の83%程度と高いレベルになっています。眼の紫外線対策は実は一年中必要ですが、春先から夏にかけてが特に重要です。また、晴れた日だけではなく薄曇りの日も紫外線対策を」と佐々木先生。

オーストラリアの学校ではUVカット・サングラスの着用を義務付けているところもあるが、日本では眼の紫外線対策は遅れている。この春から、親子で眼の紫外線対策を始めてみたい。