経営者の間で麻雀が流行中!

経営者にとって、日常的な行事である接待とゴルフ。昔は誰しも「接待とゴルフをやらなければ……」という強迫観念を持っていたが、近年になって薄らいできたという。

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(左)どちらも「ゴルフ・接待派」はごく少数(右)ファーストリテイリング会長兼社長 柳井 正(時事通信フォト=写真)

「最近、経営者の間で流行しているのが、麻雀。4人集まらないとできないから、忙しいのを理由に約束をすっぽかすことができない。また経営の勝負勘を養える利点もあります。さらに接待に行かない人も増えてきました。代表的なのがカルビーCEOの松本晃氏、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏です」(300人以上の経営者を取材してきたジャーナリスト・國貞文隆氏)

接待、ゴルフの風潮が弱まる昨今、休日は趣味に没頭するのも悪くないだろう。趣味の話で國貞氏が思い出すのが、ソニーの盛田昭夫氏の家を訪ねたときの光景だ。「ダイニングの裏に小部屋があって、各社のオーディオセットが並んでいました。しかも全部スイッチが入っていたから、きっと聴き比べていたはず。休日は機械を全部分解して、一からまた作り直すこともしていたみたいです」。

このように趣味と仕事が一致するのは、創業者ならでは。対して後継者は、父親を近くで見てきて「仕事一辺倒ではいけない」と感じるのか、別の趣味に走る傾向が強い。たとえばリクシル会長の潮田洋一郎氏は、座禅、謡曲、モータースポーツ、ピアノを達者にこなす趣味人。美術にも造詣が深い。

「美術といえば、吉田茂元首相の趣味は、休日、フラッと美術館を訪れることでした。でもただ行くのではなく、そこで事前情報なしに作品を見て、その中で一番の名作はどれかを勘で当てる。それによって直感力を磨き、仕事に活かしていったわけです。また気分が滅入ると、明るい色を使って思いのままに絵を描いていたのが、イギリスのチャーチル元首相。チャーチルは政治家を目指す過程でも、戦争に勝利した後も、落選して危機に立った人物。でもそのたびに復活しているのは、趣味によってストレスや不安を払拭し、復活のモチベーションを得てきたのではないでしょうか」(著名人の行動習慣をまとめた著書がある理学療法士の濱栄一氏)