2016年3月13日(日)

ハーバード大が世紀の大発見! 30歳若返りのクスリ【前編】

PRESIDENT 2015年3月2日号

大野和基=インタビュー・構成・撮影(シンクレア氏) 小倉康平=監修・編集協力 時事通信フォト=写真
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不老長寿が、とうとう実現できる!そんな予感をさせる研究成果が挙がり始めた。どんどん進む「老化の原因」の特定で、「加齢」はいつしか「病気」の一つに分類されるという。

もう怪しい若返り法には騙されない!

私たちが年をとったとき、人間の寿命はどこまで延びているのか。不老長寿は実現しているのか。

科学的な裏付けのない「アンチエイジング」と称する怪しげな健康法やサプリが今の日本には溢れている。これまで私たちの多くは、半分騙されていることを知りつつも、ちょっとでも若さを保つために涙ぐましい努力を続けてきたのではないだろうか。

しかし、そんな時代はもう終わりそうである。2015年1月の「NEXT WORLD私たちの未来」(NHK)では、ハーバード大のデビッド・シンクレア教授を中心とするグループの科学的な研究によって、30年後には、先進国の平均寿命が100歳になり、開発されるであろう若返り薬によって30歳以上の若さに戻すことができると報道された。

プレジデント誌は、米国ボストンに住むシンクレア教授に現地で直接取材・インタビューすることに成功した。シンクレア教授が明かした「若返り」技術の全貌をお伝えする。

ハーバード大学・教授 デビッド・シンクレア氏

私は4歳のときから、老化に強い関心をもっていました。いつか親が亡くなり、自分もいずれは死ぬと考えたことで強いショックを受けました。誰でも同じようなショックを覚えたと思いますが、そのショックがあまりにもつらかったので、しばらく考えないようにしていました。でもどうしても脳裏からそのショックを払拭できませんでした。昔から生物学には常に関心を抱いていて、オーストラリア・シドニーの大学では分子生物学を学びました。1987年のことです。

ある日友人たちとトランプをしていたときに若いことはすばらしいという話になりました。私が「いつか人間は150歳まで生きるようになる」と言ったら、友人たちは「そんなことはありえない」と言ったのです。私は遺伝学、幹細胞などの新しい研究を見ていると、新世界が来ると言い返しました。

私が老化の研究を始めたときに感じたのは、私たちの次の世代から飛躍的に寿命が延びるのではないかということでした。私たちの世代が最後の短命世代になってしまう懸念をもち、私は自分が生きている間に、長寿を成功させてやると決意したのです。

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