2016年3月13日(日)

ハーバード大が世紀の大発見! 30歳若返りのクスリ【後編】

PRESIDENT 2015年3月2日号

大野和基=インタビュー・構成・撮影(シンクレア氏) 小倉康平=監修・編集協力 時事通信フォト=写真
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不老長寿が、とうとう実現できる!そんな予感をさせる研究成果が挙がり始めた。どんどん進む「老化の原因」の特定で、「加齢」はいつしか「病気」の一つに分類されるという。

60歳の体が30歳になる

今までは卵子の老化は止められないといわれていましたが、これからは逆行させることができます。まず女性から卵子を数個取ります。幹細胞から、細胞のエネルギー源であるミトコンドリアを取り出し、それを精子と一緒に卵子に注入します。そうするとはるかに健康な受精卵ができると考えています。これはカナダ、中東、イギリスなど多くの国・地域で行われており、日本でも始まっています。

ハーバード大学・教授 デビッド・シンクレア氏

老女から古い卵子を取り出して、それを若返らせることもできます。そうするとその卵子と精子で子供をつくることができます。さらにDNAを改変することができれば、疾患がゼロの受精卵をつくることができます。これまで空想小説の世界だと考えられてきたことが現実になる。

今研究しているもうひとつの分子は非常に新しい分子で、レスベラトロールよりも寿命を延ばす能力が高いものです。NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチドの略で、サーチュイン遺伝子を活性化させる化学物質)という物質のレベルを上げる役割をします。この研究は現在、今井眞一郎氏(現ワシントン大学セントルイス校)と協力して行っています。

NADは老化とともに減少します。私は今45歳ですが、NADは若いときの半分になっています。ですから、NADのレベルを上げると若返ると考えますが、今井氏も同じ考えです。我々はMetrobiotechというベンチャー企業を立ち上げ、マウスですでに若返りに成功しています。臨床試験も始まる予定です。

NADのレベルを上げると体全体が若返ります。これをマウスに投与すると、人間で言えば60歳の体が30歳の体になります。クレイジーに聞こえますが、最も権威のある科学誌の一つCellに掲載されました。

さらにこのラボで研究しているのはバイオインフォマティクス(生命情報科学。遺伝子やタンパク質のビッグデータをコンピュータにより分析する研究分野)です。

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