2016年2月23日(火)

なぜ、エリートほど激しく「嫉妬」するのか?

“マネジメント”からの逃走 第42回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
若新 雄純 わかしん・ゆうじゅん
人材・組織開発プロデューサー/慶應義塾大学特任講師

若新 雄純福井県若狭町生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(政策・メディア)修了。専門は産業・組織心理学とコミュニケーション論。全員がニートで取締役の「NEET株式会社」や女子高生がまちづくりを担う「鯖江市役所JK課」など、多様な働き方や組織のあり方を模索・提案する実験的プロジェクトを多数企画・実施中。著書に『創造的脱力』(光文社新書)がある。
若新ワールド
http://wakashin.com/

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若新雄純=文
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嫉妬心のネガティブとポジティブ

他人の成功や幸せに直面にすると、僕たちは「嫉妬」という複雑な感情を抱きます。この感情は、専門分野では「社会的比較ジェラシー」と呼ばれていて、学校の成績や出世の順番など、相手との「社会的な比較」のなかで生まれるようです。

強い「ジェラシー」が生じると、多くの人はそれを「ウザい……。こいつ死ねばいいのに」などといったマイナスのネガティブな感情に変えてしまいます(下方比較)。しかし、一部のポジティブな人は「スゴいな。自分も頑張ろう!」といったプラスの感情に変えることができ(上方比較)、複雑な競争社会の中でも良好な人間関係を築いていけるというのです。

この、嫉妬心のネガティブとポジティブの境目はなんなのでしょうか。

ある研究によると、この「社会的比較ジェラシー」なるものは誰に対しても生じるわけではなく、自分が関心を寄せる分野で、自分と類似性の高い身近な他者が少しだけ優位な場合に最も経験するものだといいます。

「類似性の高い身近な他者」が“少しだけ優位な場合”というのがポイントで、例えば、全国的に活躍するぶっちぎりにすごい成功者などに対してはあまり嫉妬心が起きません。一方で、自分と同じ会社の身近な同僚のちょっとした仕事の成功には、はげしく嫉妬してしまうということです。

これは、なんとも面倒くさい話です。

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